『めいわくかしらン』
作者:風間宏子
掲載:「週刊少女コミック」 昭和52年4/5号〜20/21号
まー、例に漏れず、これも子供の頃に階段の本棚で発見したもの。 そして、例に漏れず、姉のコレクション(もどき)であり、 発見当時、すでに古本状態でした(笑)。
でも、巻末を見ると、発行されてから私が読むまで、何年も経ってない んですよね〜。 何でいつもこんなに古本状態なのだ?姉の本は。なぞなぞなぞ・・・。
で、ついでにいうと、この本、全3巻なんですが、我が家には当初、 2巻と3巻がありました。 1巻はなかったけど、子供だったので、そんなこと気にもせず。 そ・れ・よ・り・もっ!!! それからしばらくして、なぜか「2巻」がなくなっていた!!!
うちの姉は、このコーナーで最初にご紹介している 「あいLOVEポピーちゃん」をはじめ、とにかくマンガをどこかに やってしまいます。 「プリティー・ロック」だって、昔は1巻もあったのに!!!(怒)
あと、私が大事に大事に保管していた、私の部屋の本棚の、 「キャンディ・キャンディ(全9巻)」も、2冊紛失しやがった!!!! (あ、言葉が汚いですわね。紛失しちまいましたの。←同じか) これはなぜかピンときて、まるでマンガの神様が降りてきたかのように 久しぶりに本棚の奥を見てみたら、2冊なくなっていることを発見。 すぐさま姉を問いただしたら、「会社でまわし読みするのに持ってった」 などという、ふざけた話は顔だけにしろ!!!!・・・と、 こちらがキレまくる理由で、姉の会社内で紛失したことが発覚。 何とか1冊は取り戻したものの、結局3巻だけが戻ってこず、 姉は「買いなおすなんてイヤだよ!!!」と開き直ってどーしよーもない ため、こんなふざけた姉を生んだ母親を責めて、 新たに3巻を買いなおしてもらったのでした。 でもね〜・・・・・!!!!!やっぱり、当時買ったものだからこそ 思い入れがあるのよ!!! 新しく買いなおせばいいってもんじゃないのよっっっ!!! それにねぇ、私の大切な本を、「何人もの見知らぬ他人」に 回すんじゃないっっっつーのっっっっっ!!!!! 汚れるでしょーがっっっっ!!!!!アタシの世界が!!!!! その辺のセンシティブでナイーブな妹の心を思い図れない姉。 許せんっっっっ!!!!
・・・はっ。 気づいたら、ただの愚痴だった(笑)。
まぁ〜そんなわけで、当分は3巻しかなかった「めいわくかしらン」なの ですが、今は全巻そろって持っております、はい。
私の中の風間さんのイメージというと、やっぱりこの作品が一番 面白いかな〜。 他にも結構、風間さんの本は読んだんですけど、これのインパクトに 勝るものはないです(笑)。
そう。ホント〜、思えば、かなり読んだわ〜〜〜。 この「めいわくかしらン」が全3巻でしょ。 あと、最初の単行本と思われる、「恋のレッスンNO.1」の単行本でしょ。 「ブラパン専科(全3巻)」「怪傑ますらおくん(全3巻)」「万太郎ちゃんが スキ!(全4巻)」「窓ぎわ族のポップちゃん(全4巻)」でしょ。 それぞれに収録されてる短編・読みきりでしょ。 あと、わざわざ中古の雑誌を買ってさ、「あの娘のほうが力持ち」でしょ、 「ちょっときて美久」でしょ。・・・・・すごくない??? なんでこんなにハマってんだ、私?(笑) すべてはこの「めいわくかしらン」が面白すぎたから悪いのだ!(笑)
上記の中では「ブラパン専科」は、「ちょっとHなラブコメディー」とか何とか キャッチコピーがつけられつつも、別に全然Hじゃなくて(笑)、 わりと、なんつーか、テーマはシリアスで、まともな展開なのよね。 牧野和子さんの「プリティー・ロック」みたいに、読者のデザインが 出てきたり。大々的な下着ショーのエピは、真剣そのものの内容で、 誰が優勝するのか、もう、ひきつけられちゃったもんね〜〜。 あと、この作品は、なつかしの「ネスレのミロ」とのタイアップだったのか、 そのキャッチコピーが出てきたり、連載当時は表紙にもミロの広告が 載ってたみたい。主人公の女の子が「美呂」って名前なんだよね。
それはさておき、この「ブラパン専科」をもってしても、とにかく面白いのが 今回ご紹介する「めいわくかしらン」。 超次元的な、はちゃめちゃコメディーなんだけど、どこをとっても 面白いんですよね。 なんかね、今のディズニーチャンネルでやってるようなアメリカとかの シットコムドラマが好きな人は、ぜったい受け入れられると思うわけ。 これはハマるよ〜!!!
で、いよいよストーリーなんですが、ヒロインは秋元砂美。 通称サミーです。 城西高校(おそらく埼玉県が舞台)1年生で、くせっけのショートカット。 昔の岡崎友紀さんみたいな感じ。きゃー、懐かし〜わね〜。
この連載は、週刊少女コミックの4/5号から20/21号まで掲載された わけですが、これ、別に4月5日って意味じゃありません。 4号と5号、20号と21号の合併号、って意味ですね。 実際には、1月から5月までの連載でした。全16話かな。
(あ、その前にひとこと断っておきますと、私の文章では、この作品の 面白さは、1億分の1、くらいしか伝わりません(笑)。 何しろ私は性格がマジメなものですから〜〜〜。 なので、これはぜったい、単行本を買うなり、ネットコミックで読むなり したほうがいいですっっ!!!! ホント、ギャグのところとかは省いてしまってるから、大まかなとこしか わからないように書いております)
でもって、大きく分けると3つに分かれる話で、 ★お父さんがアイドルになっちゃった?! ★美少女転校生がやってきた?! ★残り5回は一話完結形式。
とまぁこんな感じ。順を追って話すと・・・(また長くなりそうだわ)
★お父さんがアイドルに?編
サミーは大の発明狂。といってもほとんど後半は薬がメインなんですが。 でもって、今をときめくスーパーアイドル・野中ゴロミの大ファン! (このネーミングがいいねいいね〜!!昭和って感じでしょ?)
「神様はアダムの肋骨からイブを作ったんだもん」と、 ゴロミのコンサートの出待ちのときにむしりとった(笑)髪の毛から、 ゴロミのクローンを作ってしまおうとするくらいです。
でもその薬はあえなく失敗。もったいないけど捨てちゃおう!と、 洗顔所の洗面器にドボドボ捨ててしまいます。 その後、母親に呼ばれて夕食をとりにいくと、何だかご馳走ばかり。 一体今日は何の日?・・・そう、この日は、サミーの両親の、 結婚記念日だったのでした。
二人の若かりし頃の写真を見て、父親が若い頃、めちゃくちゃ ハンサムだったことを初めて知るサミー。 そこに、父さん(ちなみにサミーの父さんは、サミーの高校の古典の教師) が手を洗ってからやってきます。
ところがところが!!! 父さんの顔を見て、サミーと母さんはビックリ仰天!!! そこにはなんと、とても52歳には見えない、若くてハンサムで、 かっこいい父親が現れたではありませんか!!
どーゆーこと? サミーたちは原因を考えます。 父さんは「洗面所の水で顔を洗っただけだ」といいます。 そこでサミーは気づきます。 あっっ!!!さっきの「ゴロミのクローンを作ろうとした薬」を捨てた 洗面器の水だ!!
そう、この薬で顔を洗うと、若い頃に戻る、これは「若返りの薬」。 サミーは偶然、そんなものを作っちゃったのです。 (ちなみに、普通の水でまた洗うと元に戻ってしまうのですが)
でもサミーは、いくらハンサムな父さんになったところで、 「ゴロミと張り合ったら、ゴロミには負けるわよ」と一言。
この言葉に父親は奮起。 よ〜し、父さんゴロミと張り合っちゃうぞ〜〜!!と、 サミーに乗せられて、TVのスター発掘オーディション番組に 「水城緋路紀(みずき・ひじき)」と名乗って、挑戦することになるのでした。
ところがところが、意外にも父さんは大健闘。すごいカッコイイ! 「ゴロミ以来の大スターの誕生だ!!」と、番組に合格。 そして、1日契約と間違えて、うっかり芸能事務所と、 1年契約のサインをしてしまいます。
翌日、サミーの高校では「昨日のあの番組の緋路紀って人、 カッコよくない〜〜?!」と大騒ぎ。 すぐさま、52歳の古典教師のジイサンは、ゴロミと共演するほどの スーパーアイドルになってしまうのでした。
ゴロミだヒジキだと大騒ぎする女子たちを見て、サミーのクラスの男子、 野島和樹がサミーにいいます。 「スターにキャアキャア言うのと、人を好きになるのとは違うだろ。 憧れだよ憧れ。 サミーもいい加減大人になって、ゴロミなんか卒業したほうがいいよ。 ゴロミなんかよりオレのほうがいいってそのうち気づくから」
(え?和樹くんって、サミーのこと好きだったん? 2〜3巻から読み始めた私なんかは、「へぇ〜、連載当初は そーゆー設定だったんだぁ〜」とちょっと意外。)
そんなこといわれても、サミーはゴロミの大ファン。 とりあえず今は和樹くんに用はなし!!
さて、それはいいけど、父さんが若返る「薬」。 残っているのはあと少し。どうするどうする?
しかも1年契約だなんて、薬の量もそうだけど、52歳の父さんに、 アイドルのようなアクロバティックなパフォーマンスは、もたないって!! アクションを取ったあとに身体からあふれ出る紙ふぶき。 それだってトクホンやサロンパスがはがれただけなんだから!!!(笑)
ところが何も知らない芸能事務所側は、契約破棄するなら 違約金の100万円を払えといってきます。
しかたがないので、サミーは色々と、惚れ薬だの発明品だのを考えて、 学校の生徒たちに売って、お金を稼ごうとしますが、 なかなかうまくいきません。
昼食代も浮かせて、返済金に当てようとするサミーの様子を見て、 理由は知らねど見かねた和樹くんがラーメンだのチョコパフェだのと、 何かとおごってくれます。 しかし結局「アイドルを好きになるなんて・・・」という話になって、 ふたりは喧嘩したりするのですが。
とかなんとかしているうちに、一人の芸能記者が、野中ゴロミが 城西高校の生徒だということを突き止め、張っているうちに、 なんと、緋路紀までもが車で城西高校に入っていく様子を 見つけてしまうのです。
このことがスクープされて、学校中の女子は大騒ぎ! 今をときめく2大アイドルが、二人とも同じ高校にいるなんて!! いったい誰?どんな変装をしてごまかしてるの? 学校側は、正体がわかり次第、2人を退学にすると発表します。
緋路紀=自分の父親・52歳・古典教師とわかっているからいいとして、 ゴロミまでも自分の高校に? サミーは驚きますが、他の女子のように、誰誰?と真相を突き止めよう とは思いません。 なぜなら、サミーは「ゴロミの歌やしぐさ」が好きなのであって、 学校生活を送る、ゴロミの普段の姿を見たいとは思わないのです。
そんなサミーに、和樹は「・・・ねぇ、ぼくが野中ゴロミだったらどうする?」 と、意味深なことをいってきます。 確かに、体格だけでいうと、サッカー部で活躍する和樹くんが、 一番ゴロミに似てはいるのです。 サミーは、本当に、和樹くんがゴロミじゃないか・・・と疑いだします。
そんなある日、校内放送がいきなり流れてきました。 声の主はゴロミ。 城西高校の生徒だとバレたことで、ゴロミは「もう学生生活を送れない のなら、ぼくは学校を辞めます」と発表したからまたまた女子は大騒ぎ。
あわてて放送室に向かうと、ゴロミが出てきます。 みんなは追いかけますが、サミーだけは別のところにいたため、 ゴロミ=和樹くん?を上手く逃がすことに協力するのでした。
その直後、いきなり和樹くんがサミーの前に現れ、 「どうせまた何も食べてないんだろ。食えよ」とパンを差し出してきます。 サミーは、今逃げたばかりのゴロミ=和樹くん?が、すぐさま いつもの制服姿で目の前に現れたことにビックリ。 「か、和樹くん!いつの間に着替えたの?!」 でも和樹はケロリとしています。
ゴロミは和樹なの?そうなんでしょ?! こうなりゃ正体をつかむしかない!! ゴロミの正体が気になる父さん=緋路紀も、今度ゴロミと2人で ショーをするから、そのときに正体を暴いてやるのだウシシシシ〜♪ ・・・と、サミーと一緒になって、悪事(?)を企てるのでした。
さてさてショーの当日。 ところがドジな父さんは、すっころんでしまい、ゴロミの上半身の衣装を 破くことくらいしかできないのでした(笑)。
でも、サミーはそれでじゅうぶん。 ゴロミの「ある特徴」を見つけることができたのですから。 その特徴とは、左肩のところにある、「星型のアザ」。 あのアザが、和樹くんの肩にもあれば、証拠になる!!!
早速、サミーは特殊レンズつき段ボール箱に隠れて、 男子サッカー部の更衣室で和樹くんを待ち伏せします。 そしていよいよ和樹くんたちサッカー部員が来て、着替えを始めるの ですが、おかしな段ボール箱の存在に気づいた和樹くんや、 他の男子部員に、箱をつぶされたり、蹴り飛ばされながら、 サミーは何とか持ちこたえるのでした(笑)。
さて、ついに和樹くんたちの着替えの瞬間をキャッチ!!! そして・・・・・・。 サミーは男子の肩のアザを見つけて、ビックリ!!! 思わず箱から飛び出して、今度は男子たちがビックリ!!!(笑)
「アザ・・・星型の・・・ゴロミの・・・・」 と思わず口に出すサミーに驚いた和樹くんは、パパッとサミーの口を ふさいで、外に連れ出すのでした。
「なぜ、星型のアザのこと知ってんだ?」 和樹くんに聞かれて、サミーはショーのときのことを打ち明けます。
「そうか、それで更衣室に隠れていたのか。 ・・・・頼むからそっとしといてやってくれ。いま騒いだらあいつ・・・」
そう。ゴロミは、和樹くんではなかったのです。 ゴロミの正体は、和樹くんと同じ、サッカー部員で、 生徒会委員をしている、メガネで生真面目な「谷くん」だったのでした。
あの谷くんがまさかゴロミだったなんて・・・・!
「ボクだったらよかった?」と言ってくる和樹くんに、 和樹くんだったら素敵だったのに、と思う気持ちと、 和樹くんじゃなくて良かった、という気持ち。サミーの心は複雑です。
放課後、和樹の母親が経営している喫茶店にサミーは呼び出されます。 そのあとで、谷くんと、そして、同じく生徒会委員で、 女子の間では「お堅くて冷たい」と敬遠されている佐川さんという 女生徒も一緒にやってきました。
谷くんは、サミーに正体がばれたことで、全てを話します。 谷くんと佐川さん、そして和樹くんの3人は、小さい頃からの幼馴染み。 他の2人に比べて、病弱だった谷くんはいつも自分にコンプレックスを 持っていて、それがある日、たまたま変装をしてみたら、 いつの間にか「野中ゴロミ」として、スーパーアイドルになってしまって いた・・・でも、ゴロミでいるときには、自分に自信が持てる。 ゴロミを捨てようと決めたけど、まだ迷っている。 でももう他の2人に迷惑かけたくないし、学校を辞めようかと思う。
そんな話を聞いていて、サミーは憤ります。 私はゴロミの歌やしぐさが好きだった。 谷くんが本当に歌が好きでゴロミでいるなら辞めろなんていわないけど、 あなたはそうじゃなかった。 自分をごまかすためなんて、そんなの、そんなの許せない!!!
この意見に、佐川さんが同意します。 佐川さんにとって、谷くんの存在は迷惑なんかじゃない。 だって、好きな人を助けてあげるのが、どうして迷惑なの? ・・・佐川さんは、谷くんのことがずーっと好きだったのです。
みんなの気持ちを知って、自分のままでいるのが一番いいと悟った 谷くんは、今度の公演で、芸能界を引退することを決めるのでした。
サミーは、こんな3人を見直します。 お堅くて冷たいと思っていた佐川さんはこんなに優しい人で、 生真面目な谷くんがあのゴロミ、 そして、全て知ってて、かばってあげていた和樹くん。 この3人には、いつか緋路紀が、実は自分の父親だったということを、 打ち明けようと決意するのでした。
さて、そんな折、うっかり「若返りの薬」を落として、量を少なくしてしまった サミーの父親は、あせります。 サミーも、何とかもう一度、あの薬を作れないかと、トライします。 授業中も、授業をサボって化学室で薬作りに励みますが、 どうやってもできあがりません。
「具合が悪くなったから」という無理やりな理由で教室からいなくなった サミーを心配して、和樹くんは化学室にやってきます。 「どうせ自分で薬を作ろうとしてたんだろ。」とか 「どうせまた惚れ薬とかその辺だろ。女の子ってのはくだらないものを 作るからな。」と、サミーの作った試薬品を取ろうとして、 サミーが取り返そうとするうに、うっかりその薬を、和樹くんは頭から かぶってしまいます。 「和樹くん!!な、なんともない?」「うん、なんともないよ」 ペロッとなめて、「おいち・・・♪」と美味しがる和樹くん(笑)。
その日の午後、体育で体力テストが行なわれ、和樹くんはなかなかの 人気。和樹くんは、学園では結構カッコイイ男の子なのです。
佐川さんはサミーに「ゴロミがいなくなるのは寂しいけど、緋路紀に もしやる気があるのなら、緋路紀にはずっとスターでいて欲しいわ。 私ね・・・彼の歌、結構好きなのよ」と、優等生だとばかり思っていたのに、 なんとも意外なことをいってきます。
複雑な気持ちのサミーをよそに、和樹くんはいいところを見せようと 2千メートル競走で張り切ります。 ところがところが!!!(こればっか。だってそーゆーマンガなんだもん)
何だか走る様子のおかしい和樹くんは、あわててサミーの所へ 走ってきて、手を引っ張って草むらへ! 「いったいどうしたっていうのよ!」 「オ、オレ・・・・・お、女・・・女になっちゃったよ!!!」 「何?!」 「見ろよ!」 何と、和樹くんの胸が、大きくなっているではありませんかっ!! 「負けそ・・・」 「なんでこんなになっちゃったんだろ」 サミーは気づきます。 「あ、さっき浴びた薬!洗って!洗えば落ちるわよ!」 ところが、一向に変わりません。
「だめだよ。ひっこまない」 「変だわ。あびただけでしょ?」 和樹くんの、とどめの一言↓。 「少し飲んだ」 この言葉に「泣きたくなってきた」と愕然とするサミーなのでした。 とにかく、何とかする薬を作るから、家でおとなしく待っててよ、ということ になります。
さて、一方、サミーの父親は「本当はこんなじいさんが、緋路紀だった なんて、そんなふうに女の子の夢を壊したくないからな」と、 自分もゴロミのように、芸能界を辞めることを決意します。
この次の2人の共演が、2人ともにとって最後のステージ・・・。
当日、舞台袖で最後のゴロミ(谷くん)を惜しみつつ見守るサミーに、 父親が「顔がムズムズするんだが」といってきます。 もう、せっかくゴロミの最後のステージを見てるのに!と振り返ると、 カッコイイ緋路紀が、ただの自分の父親・52歳の顔に変わっちゃってる ではないですか!! おそらく原因は、残った薬を薄めて使ったから。 ところが、またしばらくすると、カッコイイ顔に変化するのです。 サミーは「どうやらジャスト2分ごとに顔が変わるらしい」と気づきます。
そこで、2分ごとに、サミーが舞台袖から手でパッ!と合図をして、 カッコイイ緋路紀の顔のときは前を向き、 ヨレヨレじいさんになってしまいそうになったら後ろを向こう、 という、とってもくだらない作戦を考え出します。
この状態で、何とか2分おきに、後ろを向いたり前を向いたりして、 周囲に「変な演出・・・」と思われながらも(笑)、やり過ごすのでした。 (しかし1回だけ失敗して、うっかりジイサン顔をみんなに見られてしまう のですが(笑))
このシーン、1巻に収録されてますが、すごくくだらなくて面白い(笑)。 バッカじゃないの?!と思わず口に出す読者の私(笑)。 緋路紀のときは、とてつもなく美形なのになぁ。惜しい!!!
そして、このステージで、ゴロミも、そして緋路紀も、 引退を表明するのです。当然、場内は大騒ぎ。
翌日、週刊誌を見てやはりガッカリする城西高校の女生徒たち。 そして、サミーは緋路紀の正体を、谷くんと佐川さんには 打ち明けるのでした。
そんなとき、向こうから和樹くんが歩いてきます。 「何だあいつ。変な歩きかたしてるな」 クネクネした歩き方の和樹に、谷くんたちも不思議顔。
「あ、サミー。やっとめっけた。←(懐かしいな、この表現(笑))」 青ざめている和樹くんが次に言い放ったのは・・・
「オレさ・・・、オレ、完全な女になっちゃった・・・・・」
★すっごい美少女が転校してきて?!編
その日、朝からおかしな夢を見ていた和樹くん。 和樹が臨月を迎えていて(おいおい笑)、サミーがすでに一人目の 赤ちゃんの面倒を見ています。 和樹「そろそろ分娩体操でもするか」 サミー「元気な赤ちゃん生んでね」 などという奇妙奇天烈な会話の夢に驚いて、和樹は飛び起きます。
「ゆ、夢か・・・。(サミーの薬のせいで膨らんだ)この胸のせいだな。 わ、少し引っ込んだみたい♪」
朝食の前にトイレに・・・とトイレに入って自分でビックリ!! 胸だけじゃなく、あるべきものが、ない、ない、ないっっっ!!! よーするに、身体が女になっているではありませんか!!
・・・・といった事情をサミーに話す和樹くん。 「というわけなんだよ」
「あ、そう(汗)」と逃げ出すサミー。
そんなサミーを捕まえて、とりあえず、何とか元に戻る薬を作ることに なります。 サッカー部の練習もままならない和樹くんは、さっさと帰宅することに。 夕陽の中で、すがるような目でサミーに薬作りを頼んで帰る和樹くん。
そして翌日−。
教室では、女生徒たちがウワサしています。 「ねぇ見た?あのコ。すっごい・・・かわいいというか、美人というか。 不思議な感じなのよね〜〜」 教室には、長髪の、見知らぬ美少女が転校してきています。 男子たちも「かわいい〜!!!」とデッレデレ。 その言葉に、彼女もポッと頬を赤らめたりして、ますます男子たちは デレ〜〜〜ッとするばかり。
そこにサミーが登校してきます。 「あ、サミー。すごい子が・・・」 「え?」
その美少女の姿を見て、サミーは青ざめ、 「・・・・私、帰る!!」と逃げ出します。
ところが、その美少女は、サミーに気づくと、 「あーーーーーー!!!てめーーーーーー、逃げるな!!!!」
サミーを追いかけながら、 「待てったらこの〜〜〜〜〜〜!逃がすもんか!!!」 廊下側の窓を飛び越えた拍子に、美少女の制服が、 ひっかかって破けてしまいます。 下には、シマシマのガラパン(←懐かしいな、この表現も(笑))を 履いている美少女。
「あ〜あ、ズボン引っかけちまったぁ。悪いな、これ片付けといてくれよ」
あ、あんなにかわいい顔した美少女が、あんな言葉遣いで、 しかもガラパン・・・・・・ボーゼンとする生徒たち。
学校中を逃げ惑うサミーを、その美少女はどこまでも追いかけ、 とうとう捕まえました。
「砂美!!!オレが誰だかわかってんだろ!!」 「・・・・・・・・・・・(-_-;;;)」 「そうだよ!オレ!和樹だよ!!!!」
そうです。その美少女は、昨日までは一応男子だった、 和樹くんだったのでした。
とにかくとにかく、髪も伸び、声も高くなり、メチャクチャかわいい 美少女に変身してしまった和樹くん。 実はその朝、母親に布団をはがされ起こされたときから、 悲劇は始まっていたのです。 女の子が一人、息子のベッドに寝ていることにビックリした母親と、 その女の子がメチャクチャかわいいことに喜びつつ驚く父親(笑)。 「キ、キミ!和樹はどこへ行ったんだ?」 「オレ・・・・和樹だよ」 そう青ざめていう和樹くんの言葉もむなしく、彼女は和樹の恋人だと 両親からすっかり誤解されてしまうのでした。
両親すら自分のことがわからなかったんだぞと怒る和樹くん。 「そ、そうよね〜、そりゃわからないわよ、これだけ完全に変身してたら」 と苦笑いするしかないサミー。
とにかくどーしよーもないので、当分は女でいるしかないと、 和樹くんはスカートを履いて、転校生の「島田和子」として 生きていくことにします(笑)。
ここから先が、この「めいわくかしらン」では一番面白くて、 私は子供の頃、このエピソードが一番好きでした(笑)。
何といっても、和樹くんが、ルックスだけじゃなくて、キャラクターまで 何だか最初の頃とかなり変わっているのですよね(笑)。
1巻&2巻の頭までは、そんなにサミーと絡むシーンがあるわけでは なくて、キャラもどちらかというとクールな感じだったのに、 一体どうしたことやら、女の子になってからは、えらくガサツで、 豪快で、さばさばしていて、しかもお茶目で憎めない、 不思議さ100%のキャラクターになってます(笑)。
こんな女の子なら、女子でも友達になりたいと思えそうな、 そんな変てこキャラなのです。 男子だったときは、綺麗好きで、清潔感漂う雰囲気だったのに。 こんなに変わるものでしょうか(笑)。
たとえば、女の子になっちゃってから、 生物の授業でミミズなどの雌雄同体の下等動物の話になるや否や、 「ガッハッハ〜〜ッッッ!!!!!! おいサミー、雌雄同体だってよ!!! オレだっておんなじようなもんだよな〜!下等動物だってよ!!!(爆笑) ・・・・・オ・レ・は!!下等動物かよ!!!(激怒)」 とサミーに詰め寄ってみたり。
ブラがきつくて胸が苦しいからと、後ろの席の小山というダサい男子に 「よお小山。うしろのブラウスのボタンはずしてくれよ」 「おい小山。苦しいのはブラだ。ホックはずしてくれよ」 「何か気持ち悪いなぁ・・・。おい小山!ブラジャー引っ張り出してくれよ」 などとムチャクチャな注文をして、このかわいい転校生の女の子が 和樹くんだとは思ってもみない小山くんをドギマギさせたりして、 その、女としての自覚ゼロの行動に、サミーは頭を抱えて 呆れるばかりなのでした。 (結局、小山君は「お、お前は、転校生になんちゅーことするんじゃ!!」 と、教師に怒られ、廊下に立たされてしまうのですが)
その上、「だって、このままじゃ和樹の恋人と間違われてて、 とてもあの家にいられたもんじゃないぜ」と、 男に戻れるまでサミーの家に居候するからな、と言い出す始末。
自分の薬のせいでこうなったのだから仕方がない、と、 サミーもしぶしぶ自宅に連れて帰るものの、 夜になり、「身体は女でも頭は男。一緒のベッドには寝られない」と 「その辺で寝て」とたった1枚、毛布を和樹に渡して、 さっさとベッドで寝てしまおうとします。「じゃあね、おやすみ〜!」
「おやすみ〜って・・・こんな毛布一枚で・・・あんまりだぁ〜〜〜」と 泣きだす和樹くん。
「もとはといえばみんなお前のせいなのに(毛布かじかじ)。 何でオレがこんな目にあわなきゃならないんだ(グスグス)。 オレなんにも悪いことしてないのに(いじいじ)。 オレがベッドに寝て、サミーが下に寝るべきだ(ぐずぐず)。 サミーには女のやさしさがないのか(う〜〜〜〜)。 サミーはもっと優しいやつだと思っていた(ヘックシュン!)。 おーおー、女にされたあげく、カゼまで引いちまうのか。不幸だ・・・」
・・・・てなやり取りがあって、「わかったわよ!横に入りなさいよ!」 と、根負けするサミーなのでした。 「その代わり、絶対変なことしないでよ!離れて寝てよ!」 などといいつつ、いざ寝てみると、寝ぼけたサミーが 女の和樹くんに抱きついて、「離れて寝ろよ!!」と迷惑がられます。 しかし、目覚めたサミーは和樹くんが襲ってきたと勘違いして、 激怒し、和樹くんの顔を蹴り飛ばしてしまうのでした(笑)。 ああ、こんな哀れな和樹くんに幸せな日は訪れるのでしょうか・・・。
そんなこんなで、サミーとの女同士の生活が始まった和樹くん。 登校中のバスの中では、チカンが多いという話をサミーから聞いて、 いたずらにサミーにチカンのまねをしてみたりしますが、 そんな時、本当にチカンの被害にあっている女生徒を2人は見つけます。 それは1年上の、和樹くんの憧れの先輩・瀬戸内さん。 サミーに「都合のいいときだけ女になるな!」と背中を押されて、 和樹くんは先輩をとりあえず助けることに成功します。
え。あれ、ちょっと待って。 和樹くんって、サミーのことが好きだったんじゃあないの? 1巻の最初のほうでサミーに告白してるし、 サミーが生物のハンサム先生にあこがれていることを知って 「お前、オレというボーイフレンドがありながら!(身体は女だけど)」 と言ってみたり、サミー一筋じゃなかったの??? どーゆーことよ、和樹くん?!
などと、読者の私が疑問に思いながら読み進めるも、 和樹くんはこの瀬戸内先輩に気に入られて、自宅に呼ばれますが、 実はこの瀬戸内先輩が、男の和樹くんに片思いしていることを知り、 女の和樹くん(別名:島田和子)は大喜び。 年上だろうが何だろうが、和樹に告白すべきです!!!とアドバイス。 (だから、ちょっと待ちなさいって和樹。サミーは???)
思わず興奮した和樹くんはお茶をスカートにこぼしてしまって、 先輩が洋服を貸してくれることになるのですが、 そのときに、例のシマシマ模様のガラパンを見られ、 しまいには「ノジマ・カズキ」とローマ字で名前まで書かれていることに 気づかれて、島田和子と野島和樹の恋愛関係を誤解されます。 正体を明かせない和樹くんは、憧れの瀬戸内先輩の怒りを買って、 張り倒されたあげく、まんまと失恋してしまうのでした。
このあと、サミーの家にヨロヨロと帰るのですが、 相変わらずガラパンの上に、靴も履いてない和樹くん。 あわれだ・・・・。
が、サミーの家の前には自分の両親が。 和樹を探すため、喫茶店を閉店させようと思う、という話を サミーにしているのを聞いてしまいます。 「そ、そうか!オレ、家のことすっかり忘れてた!!」とあせった 和樹くんは、ガラパン姿で(笑)両親の前に現れ、 「和樹くんは3日後に帰る、っていってました」と告げます。 自分のせいでお店を閉店させたくなかったのです。 (そして、何も知らない自分の母親から「あなたね、オレっていうの、 やめなさいね」とか、「外に出るときはスカートも履きなさい」などと 言われてしまうのでした(笑))
3日で薬が作れる保証はどこにもない。 どうするの?とサミーは思いつつ、迷惑をかけた和樹くんに 申し訳ないからと、何とか薬を作るようがんばると誓います。 「サミー、オレ・・・」といいムードになったかと思いきや、 「寝るよ!」とベッドでさっさと寝てしまう島田和子さん。 その寝顔が本当にかわいくて、サミーも和樹くんが男だということを 半分忘れて、一緒に寝るのもなんとも思わなくなってしまいました(笑)。
それにしても、和樹くんが女の子になってからというもの、四六時中 一緒にいるな、この二人(汗)。
そうそう、そのチカン事件の朝、登校すると、和樹くん=島田和子の 靴箱やら机やらには、ラブレターがいっぱい! しかもどれも、男子からばかり。 ラブレターなんかより、弁当のほうがいいな〜と思う和樹くん。 「なんだ小山。お前も出したのか(呆)。 しょーがねーなーオレなんかにラブレター出してるようじゃ。 女の子にもてたことないからわかるけどよ〜〜」 と、机に足を投げ出して鼻歌を歌う奔放な島田和子に、男子たちは 「いいな〜あの大胆な女らしさ!」と、ますますデレデレ。 そんな男子たちを気持ち悪がる島田和子=和樹くん。
(でも確かにこの島田和子になってしまった和樹くんはかわいい! ルックスも最高潮にかわいい! これだけかわいくて、しかも口調もしぐさも男っぽいだなんて、 このギャップは、そりゃー人気出るよなぁ)
そんなある日、学校の掲示板に「ミス&ミスター城西高校」を 投票で決めよう、というポスターが貼りだされます。 これに選ばれると、ハワイに親善使節として留学できるというのです。
これを見て、自分は学園一の美人だと思っている京子という生徒が 大喜び。 ところが、学内では「島田和子が男子にとにかくすごい人気」という 噂を聞きつけます。 見に行くと、島田和子は男子(またまた小山くん(笑))がアンパンを くれれば頬にキスをしてあげたり、 「腹いっぱいになったら苦しくなったな〜」と言っては 男子たちの前でブラウスを脱いだりと、とにかく自由奔放で、 「あんなことしてたら、そりゃ男子に人気が出るわよ!」と大激怒。 自分も取り巻きたちと同じことをしたりしますが、逆に恥をかいたりも してしまいます(笑)。
面白くない京子は、学園一のハンサムだと思っている清瀬広樹という プレイボーイのナルシスト男子に、 「あの子を誘惑して。一緒にミス&ミスターに選ばれましょ」と頼みます。
「あの程度の子ならすぐに落ちる」と広樹はやる気マンマン。 ところがところが、広樹は大きな勘違いをしていて、 誘惑する相手が、島田和子ではなく、サミーのほうだと思ってしまう のです。 何とかサミーをお茶に誘いますが、もれなく島田和子もついてきて(笑)、 お茶どころか、「オレ、お茶よりメシがいいな、メシ!!」と、 ステーキをたらふく食べてしまうのでした。 (でもこのエピ直前に、サミーが作った薬を大量に飲んでいて 「ん・・・オレもう薬で腹いっぱいだよ(ウップ)」とか言ってたくせに、 和樹くん、ステーキとなると別腹なのかいな(呆)。 楊枝でシーハーしてたり、どこからそんなキャラになったのよ?(^^;))
それでもめげずにサミーに色目を使う広樹に、 「あいつ、サミーに気があるのかな」と思う和樹くんですが、 「まさか〜。あんな学園一のハンサムが私なんかに」とサミーは 信じません。 しかし、「学園一のハンサムはオレだろ」とのたまう和樹くん。
さて翌日。 広樹がサミーと登校してきたから、京子はビックリ!! 「その子じゃないわよ!!」 が、この様子を見て、他の生徒たちは「へぇ〜、あの広樹くんが 夢中になるなんて、サミーって実は魅力的なのね」と思います。 そして、広樹くんファンは、ガッカリしてしまうのでした。
そしていよいよ、ミス&ミスタースクールの結果発表。
男子の1位は・・・「欠席中ながら、野島和樹くん!」 「オ、オレ?!」と驚く和樹くん。 そして女子の1位は・・・「島田和子さん!!!」 「オレ?!」とまたまた驚く和樹くん。 んなバカな。
オレと、オレ。どっちもオレだ!オレを2つに分離しろって言うのかよ!!
「落ち着いてよ!」と伝えるサミーですが、 なんと、女子の2位は、1票差で、サミーだったのでした。 ま、広樹くんのおかげで、評価が上がったからね。 「くやひ〜〜〜!!!」ただただ悔しがる京子さんなのでした。
それはいいけど、どうするどうする? 元に戻る薬はできてない!! 明日は和樹の両親との約束の3日後。家に帰らなきゃ!! サミーは最後の薬を作って、和樹くんに飲ませます。 「オレ・・・もう半分あきらめてるけど(ゴクッ)」 そしてやっぱり元に戻りません。 そばには空き瓶がいっぱい。こんなに薬を飲んだのに・・・。 (てか、連続して薬を飲み続けて、副作用は大丈夫なのか?^^;) サミーはただ謝るばかりです。
「もういいよ(ゲップ)。とにかくもう寝ようよ。 家のこともハワイ行きのことも、明日また考えよう」 和樹くんにそういわれて、二人は眠りにつくのでした。
眠っている間に、徐々に和樹くんの髪は短くなり、胸もなくなり、 男に戻っていることも知らずに・・・・。
★一話完結形式へ・・・
ここから先の5話は、一話完結になります。
長くなってしまったので、ここから先は、次のページでお楽しみください♪
(written at June,2012)
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