『あいLOVEポピーちゃん』 
          作者:峡塚のん(原作/加津綾子)

          掲載:「なかよし」昭和50年10月号〜昭和51年9月号


                                   あいLOVEポピーちゃん


    今まで読んだ中で一番、というわけではないかもしれませんが、
    私はこの漫画が大好きです。
    うん、一番好きかも知れないです(笑)。

    簡単に説明しますと、小学4年生のポピーちゃんと、
    仲良しこよしのおさななじみ・ヘンナちゃん&ジンタンと、
    イライザのように意地悪な転校生の小林さんとが繰り広げる、
    「たのしくゆかいなさわやかコミック(本書より)」なのです。

    実はこの漫画は私が買ったわけではなく、もともとは姉が持っていました。
    といっても、私と姉とは年が離れているので、実際に姉が買ったもの
    なのかどうか、定かではありません。
    というのも、我が家にはよく「おじいちゃんが夜店で買ってきた」とか
    「お父さんの知り合いの本屋(レコード屋さんのこともあり)がツブレタから
    残り物をもらってきた」とか、そういうものもたくさんあったからです(苦笑)。

    そんなこんなでこの本を我が家の階段脇の本棚で見つけたのが
    本当に幼いときです。
    それから一度、なぜか紛失してしまい、狂わんばかりの気持ちで
    本屋に駆け込んだのですが、何しろその時点で古い本でしたから、
    在庫があるはずもなく絶版で、それから数年、古本屋周りの旅が
    始まるのでした。
    やっと見つけたときにはうれしかったですね〜〜〜〜〜〜。

    ちなみに私は、この作者の峡塚のんさんの作品がとても好きなのです。
    おそらく全作品を買い集めてしまったほどです。
    いまはどうしているんでしょうか。
    その後も名前を変えて漫画家を続けていたりするんでしょうか。
    私は「なかよし」時代しか知らないのですが、もしかしたら
    「小学5年生」みたいな雑誌でお名前を見たことがあるような気もします。

    さて、私がこの漫画のどこが好きなのかといいますと、
    やはりなんといっても、当時のスタータレントがあちらこちらに
    登場するところです(笑)。
    一番最初に登場するのは「西城秀樹」。
    その後、アグネス・チャン、野口五郎、桜田淳子、和田アキ子、
    しまいにはずうとるび、せんだみつお(笑)までと、とにかくバラエティに
    富んだ登場人物でした。
    (ずうとるびの山田君の愛称が「タラ」だということも、この本で初めて
    知りました。みんな知ってた???)

    この作品は単行本1冊の中に一年分12話が収録されていて、
    つまり、1話が短いわけです。
    たぶん、当時の「なかよし」にあって、2頁ギャグ漫画と通常の漫画との
    中間のような位置づけだったのだと思います。
    この流れは、この次に連載が始まった「サニーあなたの番よ(佐藤まり子)」
    に受け継がれていくのではないかと思います。
    (あとから知ったのですが、「あいLOVEポピーちゃん」の前に、
    原ちえこさんが「うたえ!ポピーちゃん」というマンガを描いていて、
    こちらもアグネスが中心となっているお話のようです。
    読んだことないのでわからないのですが、ポピーちゃんの外見とか
    設定は同じなのかしら???)
    って、知らない人にはホントにどうでもいい話なんですが(笑)。

    その短い話の中に、毎月、「学芸会」だとか「クリスマス」といった
    季節にあったストーリーが展開され、
    たとえば、学芸会で小林さんが主役でポピーちゃんは裏方になってしまった
    と落ち込んでいれば、
    アグネスが「みんなが表に立ちたがっても劇はできないわ」と
    励ましてくれたり、
    お正月に羽根つきをしていたら、ポピーちゃんの一張羅の着物に
    車が泥をハネて、その車には野口のゴローが乗っていて、おわびに
    誕生会に呼んでくれたりと、
    こじつけのようにスターが絡んでくるわけです。

    しかし、スターだってそんなに暇じゃありません。
    なんでポピーちゃんたちばっかり会えるのだ!!ぷりぷり。
    などと当時はまだ素直な子供だった私は怒りもせず、
    ただただうらやましかったわけですが、
    なにゆえポピーちゃんたちばかりがそんなにアイドルたちに
    会えるのかといいますと、
    彼女たちの町は、どうやらTV局のある町らしいのです。
    となると、麹町あたりか?(笑)
    気になっていま漫画をめくってパラパラ調べてみたところ、
    TV局名は「CTV」とありました(爆)。どこだそら。

    また、この漫画、ただアイドルたちが登場するだけではありません。
    きちんと子供向けらしい、道徳的な内容に終始しているのも
    よかったのです。
    今こういう漫画はないのではないでしょうか。
    いい時代だったなぁ・・・・(遠い目)。

    まぁとにかくそんな感じで、ミーハーな子供心にはたまらない雰囲気で
    毎月話は進んでいきました。 
    12話終わるころにはポピーちゃんたちも5年生になり、
    夏休みには海に行って、アメリカ人がおぼれているのをみんなで救って、
    都合よくもその人が大金持ちだったので、みんなでロサンゼルスに
    招待されて、
    またまた都合よくも桜田淳子ちゃんがLAリサイタルを開いていて(笑)、
    それとはあまり関係なくみんなでケンカになってしまったりして、
    なぜか淳子ちゃんに仲裁してもらったりしながら、
    LAの夕日と共に、ちょっぴり大人になっているのでした。
    まぁ小5だけどね(笑)。

    それはそうと、実際に登場していたアイドルは、この漫画の存在を
    知っていたのでしょうか?
    いまとなってはそれだけが気がかりです・・・・・・・・